香港出張の申告と、実際を照らす

法人のお客様へ

出張の報告と、実際が合わないとき

香港出張の報告書が出ている。経費の精算も上がっている。ただ、記載されている内容と、他から入ってくる話が噛み合わない。この段階でのご相談を、法人のお客様から継続していただいています。

最初に、確認できないことをお伝えします。ここを曖昧にしたまま話を進めても意味がないためです。

当社が取得できないもの
  • 出入国の記録。渡航したかどうかを記録として取ることはできません
  • 搭乗の履歴、予約の内容
  • 宿泊先の予約記録、宿泊の事実そのもの
  • 携帯電話の位置情報、通信の記録
  • クレジットカードの利用明細

「調べれば渡航歴が分かる」と説明する業者があれば、その方法は正規のものではありません。依頼した側が責任を問われることがあります。

では、何を根拠に照らすのか

御社の手元にある書類です。出張の申請書、報告書、経費の精算書。これらには、日付、時間、訪問先、同行者、金額が書かれています。何もないところから調べ始めるのではなく、すでにある記載と、確かめられる事実を突き合わせるという進め方になります。

だからこのご依頼は、書類が揃っているほど精度が上がります。逆に、報告書の記載が曖昧で日付も訪問先も書かれていない場合、照らす先がありません。その場合はまず、社内の様式を整えるところからお勧めしています。

申告されている内容と、確かめられること

報告書や精算書に書かれている項目ごとに、確認できる範囲が違います。すべてが確かめられるわけではありません。下の表が、実際にできることの一覧です。

申告されている内容確かめられること
申告訪問先の会社名と所在地 確認その会社が実在するか。登記上の住所と、実際に事業をしている場所が一致するか。稼働している様子があるか。
申告面談した相手の氏名と役職 確認その人物が登記上の役員として記載されているか。公開されている情報の範囲での確認になります。
申告会食・接待の店舗名 確認その店舗が実在するか。申告された日が営業日だったか。精算されている金額が、その店の価格帯と釣り合うか。
申告交通費の経路 確認申告された区間の距離、所要時間、通常の運賃。香港は移動距離が短いため、金額の妥当性は判断しやすい部類です。
申告宿泊先の施設名 確認その施設が実在するか。価格帯が精算額と釣り合うか。宿泊した事実そのものは確認できません。
申告滞在した日数と日程 確認申告された日程で、訪問先が営業していたか。祝日や休業日と重なっていないか。

実際に噛み合わないのは、こういう形です

多いのは、会社は実在するが、その住所では稼働していないという形です。登記だけが残っていて、事務所として使われていない。訪問したことになっている場所に、訪問できる実体がありません。

次に多いのが、店舗の営業日と申告された日付が合わないという形。香港では日曜や祝日に休む店も、逆に日曜こそ混む店もあります。現地の営業実態を見なければ判断できません。

金額の釣り合いも手がかりになります。精算されている額が、その店の通常の価格帯から大きく外れている場合、何かしらの説明が必要になります。ただしこれは疑いの根拠であって、証明ではありません。そのように報告書にも記載します。

香港だから起きること

出張先が香港である場合、他の都市とは違う事情がいくつかあります。いずれも、それ自体は不正の証拠ではありません。ただ、噛み合わない部分が出たときに、その理由を説明しやすくなります。

日帰りで別の場所へ行ける

香港からマカオへは高速船と陸路で往復でき、深圳へは鉄道で短時間です。日帰りが十分に成り立つ距離にあります。「香港にいた」という申告と、その日どこにいたかは、必ずしも同じことではありません。

ただし繰り返しになりますが、こちらから渡航の記録を取ることはできません。確かめられるのは、香港側で申告されている訪問先や会食先が、その日に実際に成立し得たかどうかという側です。

1日に回れる件数が多い

香港は移動時間が短く、市内であれば1日に何件も訪問できます。そのため、「1日1件の訪問で終日を使った」という報告は、香港では説明が必要になることがあります。東京から地方都市へ行く感覚とは違います。

逆に、九龍や新界の郊外、あるいは離島が絡む場合は移動に時間がかかります。地名を見れば、その日程が現実的かどうかは判断できます。

同じビルに多数の会社が入っている

香港の商業ビルには、1棟に数十社から数百社が入居していることがあります。訪問先として書かれているのがビル名だけの場合、どの会社を訪ねたのかが特定できません。

これは不正の兆候というより、報告書の様式の問題です。階数と会社名まで記載する形にしておけば、あとから確認できます。社内の様式を見直すだけで、確認の手間が大きく減ります。

週末をはさむ日程が組みやすい

金曜に到着して月曜に商談、という日程は香港では自然に成立します。日本からの距離を考えれば合理的でもあります。週末が挟まっていること自体を問題視すべきではありません。確かめるべきは、平日に申告されている予定のほうです。

ご相談のときにお願いしたいこと

このご依頼は、御社の手元にある書類が起点になります。いただける資料が揃っているほど、確認できる範囲が広がり、費用も抑えられます。

  • 出張の申請書と報告書 — 日付、訪問先、面談相手、目的が記載されているもの。写しで結構です。
  • 経費の精算書と、添付されている領収書 — 会食先、交通費、宿泊先。金額と日付が読める形であれば十分です。
  • 対象とする期間 — 直近の1回なのか、過去にさかのぼるのか。範囲によって進め方が変わります。
  • 社内ですでに確認された内容 — 何を見て、何が説明できなかったのか。重複を避けられます。
  • 社内で把握している方の範囲 — どなたまでがこの件をご存じか。ご連絡の方法を決めるうえで必要です。

これらを拝見したうえで、照らせる項目と、照らせない項目を分けてお示しします。そのうえで、確認する範囲を決めていただく形です。すべてを確認する必要がない場合も少なくありません。

費用と日数

対象となる出張の件数、確認する項目の数、訪問先が集まっている地区で決まります。1回の出張について数か所を確認する場合、短期間で済みます。過去にさかのぼって複数回分を確認する場合は、その分の日数が必要です。

香港は移動距離が短いため、訪問先が市内に集まっていれば効率よく回れます。確認する先の数が増えても、日数は比例して増えません。この点は他の国と比べて費用を読みやすい部分です。

ご相談の内容を伺ったうえで、書面にてお見積りをお出しします。着手前に重要事項説明書を交付し、契約書を取り交わします。

情報の取り扱いについて
ご依頼の内容、対象となる方の情報、報告書のいずれも、ご依頼元以外に開示することはありません。社内のどなたにご連絡してよいかは、ご相談の段階で確認させていただきます。契約の終了後、お預かりした資料は返却または廃棄いたします。

よくあるご質問

出入国の記録を調べてもらえますか

確かめられるのは、報告書に記載されている訪問先や会食先が、その日に実際に成立し得たかどうかという側です。出入国の記録、搭乗の履歴、宿泊の記録、位置情報は、本人か、法的な手続きを経た請求でなければ開かないものですので、当社も取得していません。だからこそ、お手元の申請書や精算書が照合の起点になります。

本人に気づかれることはありませんか

気づかれずに終わることを前提にはしません。ただ、本人に話が伝わる経路として多いのは、調査ではなく社内です。訪問先とされている会社へ直接問い合わせるといった行為は、その会社を通じて本人に伝わります。ご相談の段階で、社内のどなたまでが把握しているかを整理しておくことをお勧めしています。

過去の出張についてもさかのぼれますか

申請書や精算書が残っていれば、さかのぼって照らすことは可能です。ただし、訪問先とされている会社や店舗が現在も同じ状態にあるとは限りません。移転や閉店があれば、当時の状況までは確認できないことがあります。確認できた時点と、確認できなかった項目を分けて報告書に記載します。

報告書を懲戒処分の根拠に使えますか

報告書に記載するのは、確認できた事実と、確認できなかった項目です。処分が妥当かどうかという判断は書きません。人事上の措置をご検討の際は、報告書を材料のひとつとしてお使いいただいたうえで、社内規程や労務の専門家のご確認を経ることをお勧めしています。当社は法的な評価を行う立場にありません。

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本ページは総合探偵社トラストジャパン(香港・マカオ担当)が作成しています。当社は日本で探偵業の届出をしている事業者です(埼玉県公安委員会 第43210012号)。
最終更新:2026年9月

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