香港人の結婚観・恋愛観 — 日本とは前提が違う

Marriage and Relationships in Hong Kong

香港人の結婚観・恋愛観
— 日本とは前提が違う

香港の方と付き合っている。あるいは、これから結婚を考えている。そういうときに「香港人はこういう人たちだ」という説明を探しても、あまり役に立ちません。人柄は一人ひとり違いますし、日本人がそうであるように、香港の人もひと括りにはできないからです。

それでも、日本と香港とではっきり違うものはあります。住まいにかかる費用。共働きが当たり前という前提。親や親戚との距離の近さ。結婚や出産を考える時期に、これらが重くのしかかってきます。

性格の違いだと思っていたことの多くは、実は条件の違いです。同じ人でも、置かれた条件が変われば選ぶことは変わります。逆に言えば、条件が分かっていれば、相手の言い分がなぜそうなるのかが見えてきます。

香港の結婚と恋愛は、性格の話ではなく、条件の話です。 このページでは「香港人は◯◯だ」という書き方をしません。香港がどういう条件の街で、その中で人がどう選んでいるのかを見ていきます。

私たちは香港で調査をしている立場から、日本のご家族と香港にいる方との間で何が起きるのかを、繰り返し見てきました。その目から見て、日本の方が戸惑いやすいところを順に整理します。

01住まいが、結婚の時期を決めている

香港の結婚の話は、住まいの話から始まります。日本で「そろそろ結婚を」というときに真っ先に出るのが相手の気持ちや親への挨拶だとすれば、香港ではどこに住むのかが先に来ます。

理由は単純で、住まいにかかる費用が収入に対して非常に重いからです。世帯を持つということが、そのまま住居費の負担を背負うことを意味します。日本の感覚で「二人で働けば何とかなる」と考えると、話が噛み合いません。

住まいが決めていること

結婚の時期

住む場所の目処が立たないうちは、話を前に進めない。これは慎重さや冷たさではなく、順序の問題として扱われます。

親元にいる期間

成人しても、結婚するまで親と同居している方は珍しくありません。独立していないという評価にはなりません。

結婚後の距離

結婚しても、どちらかの親の近くに住むことが多くあります。日々の行き来がある前提で、暮らしが組み立てられます。

日本のご家族から「なかなか結婚に踏み切らない」「いつまでも親と住んでいる」と見えることの多くは、この条件から来ています。

ここを知らないまま話を進めると、すれ違いが起きます。日本側は「気持ちが固まっていないのでは」と受け取り、香港側は現実的な段取りを話しているだけのつもりでいる。同じ会話をしていて、噛み合っていない状態です。

逆に、住まいの見通しがはっきりしたときに話が一気に動くこともあります。慎重に見えていた相手が急に具体的になるのは、心変わりではなく条件が整ったからです。

02共働きが前提になっている

香港では、結婚後も女性が働き続けることが前提として話されます。「働くかどうか」を相談する場面が、そもそも生まれにくい。住まいの費用を考えれば、二人で稼ぐ以外の選択肢が現実的でないからです。

この前提の違いが、日本のご家族との間でいちばん摩擦を生みます。

日本側が思い描くこと

結婚したら、どちらかが家庭を中心に回す。子どもができたら、しばらくは仕事を離れる。家事は家族の中で分担する。行事や介護は、家族が手を動かして担う。

香港側の前提

二人とも働き続ける。家事や育児は外部の手を借りて回す。住み込みの家事労働者を雇う世帯も多くあります。時間を家族で使うのではなく、稼いで買うという考え方です。

「愛情が薄い」と受け取られやすいところ

家事や育児を人に任せることを、日本側が家庭を大事にしていないと受け取ってしまうことがあります。しかし香港では、それが標準的なやり方として社会に組み込まれています。手を動かすかどうかで愛情を測る発想が、そもそも前提にありません。

同じことは、親の世話についても起こります。日本側が「同居して面倒を見るのか」と考えるとき、香港側は「どういう体制で支えるか」を考えている。向いている方向は同じでも、想定している手段が違います。

お金の話が早く出る

収入、貯え、住まいの負担割合。こうした話が、日本の感覚よりずっと早い段階で出てきます。不躾に感じられるかもしれませんが、共働きで生活を組み立てる以上、先に確認しておかなければ話が進まないという事情があります。

ただし、この「早い段階でお金の話が出る」という香港では自然なやり取りが、別の目的に使われることもあります。そこは後ほど触れます。

03交際から結婚までの進み方

順序そのものは日本と大きく変わりません。ただ、それぞれの段階で誰が関わるか何を決めるかが違います。日本の方が「まだそこまで話していないのに」と感じる場面は、たいていこの違いから生まれます。

  1. STEP 01 交際

    二人だけで進む期間は、日本より短めに感じられることがあります。早い段階で友人や同僚に紹介されることも多く、周囲に知られること自体をあまり隠しません。

  2. STEP 02 家族への紹介

    ここが大きな節目です。家族に会わせるということが、日本以上に明確な意思表示として扱われます。逆に、長く付き合っていても家族に会わせないままなら、そこには理由があると考えられます。

  3. STEP 03 両家の話し合い

    住まい、費用の分担、式の規模。ここで具体的な数字が動きます。中華系の慣習にならって、結納にあたる金品のやり取りが交わされることもあります。金額や形式は家によって幅があります。

  4. STEP 04 婚姻の登記

    香港では婚姻登記の手続きが定められており、事前の届け出を経てから式を挙げる形をとります。日本人が当事者の場合、日本側への届け出も別に必要になります。

  5. STEP 05 宴席

    親族や仕事の関係者まで招く大きな席になることが多くあります。日本の感覚より招待の範囲が広く、費用も相応にかかります。この規模感が事前に共有されていないと、両家で話が食い違います。

手続きの要件は制度の改正で変わります。実際に進める段階では、香港の婚姻登記の窓口と、日本の役所または在香港日本国総領事館に、その時点の必要書類をご確認ください。当社は手続きの代行は行っていません。

日本のご家族から相談をいただくのは、多くの場合STEP 02 か STEP 03 の段階です。家族に紹介された、あるいは金額の話が出た。そこで初めて、相手のことをどれだけ知っているのかという問いが生まれます。

04日本人が戸惑いやすいのは、どんなところですか

いちばん多いのは、連絡の取り方・家族の関わり方・お金の話の早さの3つです。いずれも香港では標準的なやり方で、相手に特別な事情があるわけではありません。

  • 連絡が急に途切れる時期がある — 仕事や家族の用事が立て込むと連絡が減り、落ち着くと戻ります。関係の変化とは限りません。
  • 家族が会話に入ってくる — 二人で決めることでも、親や兄弟の意見が当たり前に入ります。過干渉ではなく、そういう距離感です。
  • 予定が直前に決まる — 週末の予定が前日に決まることも珍しくありません。段取りを軽んじているわけではありません。
  • お金の話が早い段階で出る — 共働きで生活を組み立てる以上、先に確認しなければ話が進まないという事情があります。
  • 言語が場面で切り替わる — 広東語・英語・北京語が混ざります。自分の話が理解されているか不安になる場面が出ます。

では、香港の方との交際で気をつけることは何ですか

気をつけるべきなのは相手の言動ではなく、聞いた話を確かめる手立てがあるかどうかです。日本国内なら自然に分かることが、香港では分かりません。共通の知人がいない、勤め先を見に行けない、家族に会う機会がない。この状態が長く続くこと自体が、日本との一番の違いです。

話を聞くだけでは確かめられないこと
  • 現在の婚姻状況(既婚か、離婚が成立しているか)
  • 実際に働いている場所と、その勤務の実態
  • 同居している人がいるかどうか
  • 借入や、金銭上の事情の有無
  • これまでに聞かされてきた経歴が、事実と一致しているか

ここに挙げたことは、疑ってかかるべき項目ではありません。信じるかどうかとは別に、確かめる方法があるかどうかという話です。日本国内での結婚なら、多くが自然に分かります。香港では、意識して確かめない限り分からないまま進みます。

05まとめ — 香港の結婚観と恋愛観をどう捉えるか

香港の結婚と恋愛は、性格の違いではなく条件の違いとして捉えると、ほとんどのすれ違いが説明できます。住まいの費用が重いこと、共働きが前提であること、家族との距離が近いこと。この3つが、結婚の時期も、進め方も、お金の話の早さも決めています。

そのうえで、日本国内での結婚と決定的に違う点がひとつあります。聞いた話を確かめる手立てが、こちらにないということです。相手を疑うかどうかとは別の問題として、ここだけは意識しておく必要があります。

06よくあるご質問

香港人の結婚観は日本人とどう違いますか

最も違うのは、住まいの確保が結婚の前提条件として先に来る点です。日本では気持ちや両親への挨拶が先に語られますが、香港では住む場所の目処が立つまで話を進めないことが一般的です。また結婚後も共働きを続けることが前提で、家事や育児を外部に委ねる世帯が多くあります。

香港人男性と付き合うと苦労するのは本当ですか

性別や国籍で決まるものではありません。日本人が戸惑いやすいのは、連絡の頻度が仕事や家族の事情で大きく変わること、二人のことでも家族の意見が当たり前に入ること、お金の話が早い段階で出ることの3点です。いずれも香港では標準的なやり方です。

香港で結婚するにはどんな手続きが必要ですか

香港では婚姻登記処(Marriage Registry)への事前の届け出を経てから式を挙げる形をとります。日本人が当事者の場合は、日本側への届け出も別に必要です。必要書類や要件は制度の改正で変わるため、進める段階で香港の婚姻登記の窓口と、日本の役所または在香港日本国総領事館にご確認ください。当社は手続きの代行を行っていません。

結婚前に相手のことを確かめることはできますか

確かめられる範囲と、確かめられない範囲があります。勤務先の実態や生活の状況は現地で確認できます。一方、香港の婚姻状況証明(Certificate of Absence of Marriage Records)はご本人しか取得できず、第三者が代わりに取ることはできません。何ができて何ができないかを最初にご説明します。

相手を疑っているわけではないのですが、相談してもよいですか

かまいません。実際のご相談の多くは、疑いがあるからではなく、確かめる方法が手元にないという理由で来ています。ご家族に紹介された段階や、金銭の話が出た段階でのご相談が最も多くなっています。

0120-280-050 海外から +81-48-284-3101 / ご相談は無料です

本ページは総合探偵社トラストジャパン(香港・マカオ担当)が作成しています。当社は日本で探偵業の届出をしている事業者です(埼玉県公安委員会 第43210012号)。
最終更新:2026年8月

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